先日のSunoの動きに続いて、Udoも同じことをした。

6月1日、AI音楽生成サービスのUdioは、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所(担当判事:Alvin K. Hellerstein)に「訓練データ件数(Training Data Number)」の封印を申請した。Sony Music Entertainment(Arista Music/Arista Recordsを含む)との著作権訴訟における書類から、その一数字だけを削除(redact)するよう求めている。

理由もSunoとほぼ同じだ。Udoの共同創業者兼CEO、Andrew Sanchez氏の宣誓供述書はこう述べている。

「訓練データセットの規模は、モデルアーキテクチャと製品開発に関する戦略的ビジネス上の選択を明らかにするため、厳重に秘匿されている」


「パターン」として見ると何が見えるか

SunoとUdioが数日の間隔で、ほぼ同じ論理で同じ申請を行った。これはもはや個別企業の判断ではなく、AI音楽各社が著作権訴訟に臨む際の「定石」として機能し始めているとみるべきだろう。

「訓練データの規模は競争優位に直結する企業秘密である」——この主張が裁判所に通るかどうかは、今後の類似訴訟にも先例として影響する。

一方、訴訟の規模は拡大し続けている。Suno側ではUMGとSonyが61,026件の著作権作品の追加を求め、Udoの訴訟ではSonyが5月22日に30,442件の追加申請を行った。いずれもディスカバリーで訓練データにアクセスした結果、特定できた楽曲の数だ。「封印したい一数字」の外側にある数字は、どんどん膨らんでいる。


訴訟しながらビジネスを作る、という二重構造

ここで注目しておきたいのは、両社がこれらの訴訟を抱えながら、同時にレーベルとのビジネスを進めているという事実だ。

UdioはUMGおよびWarner Music Groupとの和解済みライセンス契約のもと、「Starstruck」という名称の新AI音楽プラットフォームを2026年中に立ち上げる予定だ。SunoもWMGとの和解に基づく最初のライセンス製品を「数ヶ月以内」にリリースすると発表している。

レーベルを訴えながら(あるいは訴えられながら)、同じレーベルと製品を作る。この二重構造を「矛盾」と見るか「現実的な落としどころ」と見るかは立場によるが、訴訟が「業界再編の交渉プロセス」として機能している側面があることは否定しにくい。


今後の焦点

非公開申請が認められるかどうかは各担当判事の判断次第だが、方向性はおそらく近いタイミングで出る。Sunoの訴訟ではメディア組織Inner City Pressが封印に異議を申し立てたが、Sunoは「裁判所がすでに正当な理由の提示を命じており、それに応じた」として退けている。

裁判所が「件数は企業秘密として保護に値する」と認めれば、この申請パターンはさらに広がるだろう。認めなければ、具体的な数字が公開記録として残り、損害賠償の算定に直接影響してくる。


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