
Rezonate 月次データレポート ── 2026年6月 / 規模拡大下でも保たれた健全性、ローンチ60日目のスナップショット
ローンチから 60 日。先月の透明性レポート第1回から1か月、Rezonate の数字を二度目のスナップショットとして公開する。楽曲は 1,221 → 1,838(+617)、登録ユーザーは 210 → 273(+63)。規模が拡大した中でも、自分以外の誰かに聴かれた曲の比率は 92.7% → 94.3%、上位曲集中度はさらに緩和、リテンションも高水準で安定。先月「気になる」と書いた数字も、確定値で上方修正された。
ローンチから、ちょうど 60 日が経った。
先月(5月14日)に Rezonate の透明性レポート第1回を公開してから、ちょうど1か月。約束通り、二度目のスナップショットを公開する。
今月のレポートの結論を先に書いておく。規模が拡大した中でも、健全性の指標はむしろ改善した。これがこの30日のいちばん大事なメッセージ。
具体的には、
- 楽曲は 1,221 → 1,838 曲(+617)
- 登録ユーザーは 210 → 273 人(+63)
- 投稿者は 138 → 168 人(+30)
- それでも自分以外の誰かに聴かれた曲の比率は 92.7% → 94.3% に微増
- 上位曲への集中度はさらに緩和(Top 10 シェア 4.9% → 3.4%)
- リテンション(再来訪率)は D7 53.0% / D14 59.4% / D30 66.9% と高水準
加えて、先月のレポートで「気になる」「観測継続中」と書いた数字について、確定値で見るとかなり違っていた。それも今回の重要なメッセージなので、最初に整理しておく。
サマリー
細かい数字に入る前に、今月の数字がクリエイターにとって何を意味するかを解説する。
あなたの曲は、相変わらずちゃんと届いている
公開された 1,838 曲のうち、94.3% が、投稿した本人以外の誰かに少なくとも1回は聴かれている。先月(92.7%)から微増。曲数が約 1.5 倍に増えても、カバー率は下がらなかった。これは率直に良い数字だと思う。
集中度は、もう一段フラットになった
いま最も聴かれている曲 Top 10 を合わせても、Rezonate 全体の再生数の 3.4% にしかならない(先月 4.9%)。Top 10% に広げても 33.9%(先月 35.0%)。スター曲への集中はさらに緩んでいる。ロングテールが広がっている。
先月「気になる」と書いた数字は、ほぼ杞憂だった
先月のレポートで、オープンβ移行後の新規投稿者の継続率が落ち込んでいるように見える、と書いた。1か月経って数字が確定すると、実際にはオープンβ後も継続率は健全な水準で安定していた。詳しい補正の経緯は、後ろの「続けて投稿してくれている人の割合」のセクションで。
「コミュニティの中堅層」が育ってきた
16 曲以上を投稿している中堅〜ヘビー投稿者が、23 → 40 人に増えた。2〜3 か月続けて投稿している層が確実に形成されつつある。1〜2 曲だけ出して止まる人もいるが、それと同時に、続けてくれる人もちゃんと増えている。
イベント機能を実験的に動かしてみた
先月「観測初回」段階だったイベントエントリーが、2 → 48 人(全体の 17.6%)に増えた。1 イベントあたりの平均エントリー数は 2.3 → 28.5。ただしこれは特定のユーザーと連携して立ち上げた実験的なイベントの結果で、この機能が今後継続的に使われるかどうかは、正直なところまだ未知数。
課題感は、引き続きある
1 曲だけ投稿して止まった人の比率は 19.6% → 20.2% でほぼ横ばい。チャレンジ曲の再生倍率は 3.3 倍 → 2.8 倍、ライナーノーツの効果は +23% → +16% と、いずれも縮小傾向。「数字に乗ってくる編集的行為」の優位性は、母数が増えるにつれてやや薄まる方向にある。
ここから下は、上の結論がどこから出てきたか、数字としての裏付けを書く。読み流してもらってもいいし、興味のあるパートだけ拾い読みしてもらってもいい。
60日経過時点の数字、全体像と前月比
| 項目 | 今月 | 先月 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 楽曲(公開) | 1,838 | 1,221 | +617 |
| 楽曲(全) | 1,897 | 1,248 | +649 |
| 登録ユーザー | 273 | 210 | +63 |
| 投稿した人 | 168(61.5%) | 138(65.7%) | +30 |
| 累計再生数 | 11,935 | 8,299 | +3,636 |
| 公開楽曲の総再生数 | 14,682 | — | — |
| いいね | 1,651 | 957 | +694 |
| コメント(有効) | 446 | 298 | +148 |
| リポスト | 252 | 163 | +89 |
| フォロー関係 | 687 | 491 | +196 |
| プレイリスト | 23 | 10 | +13 |
| アルバム | 78 | 54 | +24 |
| チャレンジ | 22 | 11 | +11 |
| イベントエントリー(総数) | 57 | 7 | +50 |
楽曲数は +617、再生ログは +3,636 と、1か月でかなりの積み上がり。投稿者比率は 65.7% → 61.5% にやや下がっているが、これは新規ユーザーの分母が増えたことによる希釈で、絶対数では +30 人。
投稿サイドの動き
日々の流れ
5月以降、日々の投稿曲数が安定して積み上がっているのが見える。爆発的なピークではなく、ほぼ毎日コンスタントに曲が上がる状態に落ち着いた。
投稿者の分布
| 区分 | 投稿者数 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 曲 | 34 | 20.2% |
| 2–3 曲 | 28 | 16.7% |
| 4–7 曲 | 37 | 22.0% |
| 8–15 曲 | 29 | 17.3% |
| 16–30 曲 | 30 | 17.9% |
| 31 曲以上 | 10 | 6.0% |
注目したいのは、16 曲以上の中堅〜ヘビー層が 23 → 40 人へ増加している点。先月は山型の中央が厚いだけだったが、今月は「2〜3 か月続けて投稿する人」が育ってきている形が出てきた。
上位投稿者が全投稿に占める割合
| 上位 | 投稿者数 | 累計曲数 | 全曲シェア |
|---|---|---|---|
| Top 10% | 17 | 768 | 41.8% |
| Top 20% | 34 | 1,121 | 61.0% |
| Top 30% | 50 | 1,363 | 74.2% |
| Top 50% | 84 | 1,641 | 89.3% |
| Top 80% | 134 | 1,804 | 98.2% |
集中度カーブは先月とほぼ同じ。投稿者数が増えてもヘッドの形は崩れていない。
続けて投稿してくれている人の割合
| 初投稿コホート週 | 人数 | W+1 復帰率 | W+2 復帰率 | W+3 復帰率 | W+4 復帰率 |
|---|---|---|---|---|---|
| W0(4/15週) | 69 | 30.4% | 24.6% | 29.0% | 24.6% |
| W1(4/22週) | 6 | 33.3% | 33.3% | 16.7% | 0.0% |
| W2(4/29週) | 30 | 33.3% | 33.3% | 23.3% | 23.3% |
| W3(5/6週) | 26 | 38.5% | 11.5% | 30.8% | 0.0% |
| W4(5/13週) | 8 | 50.0% | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
| W5(5/20週) | 11 | 45.5% | 45.5% | 18.2% | 0.0% |
| W6(5/27週) | 18 | 38.9% | 22.2% | 0.0% | 0.0% |
| W7(6/3週) | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
先月のレポートでいちばん率直に書いた数字、つまり W3(オープンβ完全移行後の最初の週)の W+1 復帰率は、3.7% → 38.5% に補正された。同様に W0 の W+4 も 1.4% → 24.6% に。
これは、観測した時点でまだ「翌週復帰するかどうか」が決まりきっていなかった最新数週分の数字を、確定値と並べたことで起きる構造的なズレだ。月の途中で集計する以上、月初の数字は後から上に動きやすい。
つまり、来月のレポートで今月の W6–W7 を見たときも、同じように「実は確定値はもっと高い」可能性がある。月初のリテンション数字は鵜呑みにできない、というのを今後の判断材料にしたい。
その上で、確定値ベースで言えるのは:
- クローズドβ来訪コホート(W0–W2)は W+1 復帰率 30–33% で安定
- オープンβ移行後コホート(W3–W6)は W+1 復帰率 33–50% で、むしろ高い水準
- W4–W5 の最新コホートは W+1 で 45–50% と、観測対象期間で最も高い
オープン化で来てくれた人たちの「投稿習慣化率」は、クローズドβ来訪者と比べて遜色がない、というのが今月の確定的な結論だ。
1 曲投稿で止まった人
168 人の投稿者のうち、34 人(20.2%)は1曲を投稿したきり、まだ次の曲を出していない。先月の 19.6% とほぼ横ばい。
彼らの曲は平均で 7.68 回再生されているので、「誰にも聴かれなかったから諦めた」とは少し違う。聴かれているが、次が出てこない。
この比率自体は、コミュニティ規模が大きく変わっても安定しているということなので、構造的なものかもしれない。「とりあえず1曲試して様子を見ている人たち」が一定割合いる、という前提で、2曲目を出しやすくする導線を考えていきたい。
再生の偏り
Top にますます集中していない
- 公開楽曲の総再生数: 14,682
- 最も聴かれている Top 10 曲のシェア: 3.4%(先月 4.9%)
- 上位 10% の曲のシェア: 33.9%(先月 35.0%)
- 上位 50% の曲のシェア: 83.1%(先月 84.9%)
Top 10 曲ですら、Rezonate 全体の再生数の 3.4% にしかならない。先月の数字(4.9%)からさらに緩んでいる。これは Rezonate にとって重要な兆候だ。
先月のレポートで、この集中の緩さには Rezonate の二つの設計判断(生メトリックを UI に表示しないこと、流しっぱなしで次がランダム再生されること)が効いている可能性が高い、と書いた。今月、楽曲数が約 1.5 倍に増えてもこの数字が壊れなかった、というのは、構造的に分散するメカニズムが効いていることを示している。
94.3% の曲が誰かに聴かれている
1,838 曲のうち、1,733 曲が、投稿した本人以外の誰かに少なくとも1回は聴かれている。94.3%(先月 92.7%)。
オープン化で曲数だけが急に増えると、この数字は構造的に下がりやすい、と先月のレポートで書いた。今月、+617 曲という増加の中で、むしろ微増したのは率直に予想外だった。「投稿即埋没」が起きていない、というメッセージは、もう一段強い形で言えるようになった。
投稿経過日数 vs 再生数
時間の経過とともに再生が積み上がる構造は維持されている。
聴く側の動き
日々の聴き手
5月以降、日常的に聴く層が安定して形成されてきている。
1 リスナーあたりの再生数分布
| 再生数レンジ | リスナー数 |
|---|---|
| 1–5 | 57 |
| 6–15 | 33 |
| 16–30 | 21 |
| 31–60 | 25 |
| 61–100 | 13 |
| 101 以上 | 32 |
101 以上のヘビーリスナーが 19 → 32 人に拡大。今月の再生数増加の主因はこの層。「日常的に Rezonate を聴く人」が育ってきている。
セッションの動き
- セッション総数: 2,345(先月 1,239、約 1.9 倍)
- 1 セッションあたりの曲数(中央値): 2(先月 3)
- 1 セッションあたりの曲数(平均): 5.09(先月 5.79)
セッション数が約 1.9 倍に増えた一方で、1 セッションあたりの曲数はやや減った。これは「短い訪問が増えた」と読める。たとえば「ちょっと開いて1〜2曲聴く」流入が増えたパターン。訪問の総回数が増えるのは健全な兆候だ。
戻ってくる人の割合
| 窓 | 対象 | 復帰 | 復帰率 |
|---|---|---|---|
| D7 | 181 | 96 | 53.0% |
| D14 | 175 | 104 | 59.4% |
| D30 | 151 | 101 | 66.9% |
先月の D7 は 55.3% だったので、ほぼ同水準で安定。注目したいのは D30 が 66.9% という高さで、しかも 151 人と母集団が十分にあること。D7 → D14 → D30 で復帰率が下がるどころか上昇している。
これは「戻ってきたユーザーが定着する」傾向を示している。一度戻ってくれた人は、その後も継続してくれる可能性が高い、ということ。
エンゲージメント
主要な数字だけ。
- コメントが 1 件以上ある曲: 14.1%(先月 14.4%、ほぼ横ばい)
- いいねが 1 件以上ある曲: 46.6%(先月 42.0%、+4.6pt)
- いいねを押したことのあるユーザー: 36.6%(先月 37.6%)
- リポストされた曲: 11.8%(先月 11.6%)
- リポストしたことのあるユーザー: 9.9%(先月 11.0%)
- フォロワーがいるユーザー: 49.8%(先月 51.9%)
- 誰かをフォローしているユーザー: 41.0%(先月 42.4%)
- プレイリストを作ったユーザー: 7.0%(先月 4.8%、+2.2pt)
いいね付き楽曲の比率(46.6%)とプレイリスト作成者比率(7.0%)が伸びているのが今月の前進。先月「使われていない」と書いたプレイリストに動きが出てきた。
そして、
- チャレンジ曲は通常曲の約 2.8 倍の再生数(先月 3.3 倍 → 縮小)
- ライナーノーツありの曲は約 16% プラスの再生数(先月 23% → 縮小)
チャレンジ曲・ライナーノーツありの優位性は、引き続き有意だが、先月よりは縮まっている。母数が増えるにつれて差は薄まる方向に動くのかもしれない。チャレンジ自体は 11 → 22 件に倍増しているので、参加機会としては明確に広がった。
機能の使われ方
| 機能 | 利用ユーザー数 | 全体に対する割合 |
|---|---|---|
| 投稿 | 171 | 62.6% |
| フォロー(着信あり) | 136 | 49.8% |
| フォロー(発信あり) | 112 | 41.0% |
| いいね | 100 | 36.6% |
| チャレンジ参加 | 82 | 30.0% |
| イベントエントリー(参加ユーザー) | 48 | 17.6% |
| アルバム作成 | 42 | 15.4% |
| リポスト | 27 | 9.9% |
| プレイリスト作成 | 19 | 7.0% |
| イベント主催 | 1 | 0.4% |
今月、数字として動きが目立ったのは イベント関連。
- イベントエントリーが 2 → 48 人(17.6%)に増加
- イベント数自体は 3 → 2 と少なくなったが、1 イベントあたりの平均エントリー数は 2.3 → 28.5
- 少数のイベントに人が集中するパターン
ただしこれは、特定のユーザーと連携して立ち上げた実験的なイベントの結果として出てきた数字で、機能としてコミュニティに定着したかどうかは別の問題。今後この機能が継続的に使われるかどうかは、まだ未知数だ。
プレイリストも 4.8% → 7.0% に上昇。先月「コミュニティに浸透していない」と書いたが、少しずつ動き始めている。
依然として、投稿(62.6%)に対していいね(36.6%)・リポスト(9.9%)が低い構造は変わっていない。「作って出す人」のほうが「他人の曲に反応する人」より多い、という Rezonate 独特の状態は維持されている。聴いて反応する文化を育てるのが、引き続き課題。
急伸トラック(過去 14 日 / self-play 除外)
直近 14 日で他者再生が伸びた上位曲のヒストグラム。
| # | 過去14日他者再生 | 投稿経過日数 |
|---|---|---|
| 1 | 26 | 12 |
| 2 | 22 | 11 |
| 3 | 18 | 10 |
| 4 | 18 | 41 |
| 5 | 18 | 14 |
| 6 | 13 | 6 |
| 7 | 13 | 27 |
| 8 | 13 | 10 |
| 9 | 12 | 10 |
| 10 | 12 | 16 |
急伸基準の絶対数は先月(Top で 28)からやや下方にある。再生がロングテール側に分散している一因。投稿経過日数を見ると、必ずしも新着曲だけが伸びているわけではなく、1か月以上経った曲が再評価されているケースも複数ある。
(個別の楽曲・投稿者の特定可能な情報はトラック ID の頭8桁のみで匿名化してある)
今月のまとめ
良い兆候(先月から継続 or 改善)
- 94.3% の曲が誰かに聴かれている(先月 92.7% → 微増、規模拡大下で維持改善)
- Top 10 曲が全再生の 3.4%、Top 10% で 33.9%(先月よりさらに緩和、ロングテール拡大)
- リテンション D7 53.0% / D14 59.4% / D30 66.9%(高水準で安定、戻ってきた人が定着)
- セッション数が 1.9 倍(訪問頻度向上)
- ヘビーリスナー(101 以上)が 19 → 32 人
- 中堅〜ヘビー投稿者(16 曲以上)が 23 → 40 人
- いいね付き楽曲比率 42.0% → 46.6%
- プレイリスト作成者 4.8% → 7.0%
- イベントエントリーが 2 → 48 人(ただし特定ユーザーとの実験的イベントによる結果で、継続使用は未知数)
注意したい兆候
- 1 曲だけ投稿で止まった人が 20.2%(先月 19.6% とほぼ横ばい、構造的か)
- チャレンジ倍率 3.3 倍 → 2.8 倍、ライナーノーツ +23% → +16%(編集的行為の優位性が縮小傾向)
- 投稿に対していいね・リポストする人がまだ少ない(聴いて反応する文化の課題は継続)
おわりに
今月のレポートはここまで。
率直に書くと、規模が拡大した中でもこれだけ健全性指標が改善したのは、運営側としても予想以上だった。先月の段階で「これからオープン化で曲数が急に増えるはずなので、来月この数字がどこまで持ちこたえるか注視している」と書いたのが、ほぼ全方向で「持ちこたえた」どころか「改善した」結果になった。
一方で、課題は先月から大きくは変わっていない。投稿する人 62.6% に対して、いいねを押したことのある人は 36.6%、リポストは 9.9%。「作って出す」と「聴いて反応する」のバランスをどう動かすかは、来月以降も継続して考えていく。
来月もまた、同じ形でレポートを出す予定です。