BMGとConcordが合併完了——Sunoのライセンス契約は400万曲の新体制とどう向き合うか
BMGとConcordが9月1日に合併を完了し、400万以上の楽曲カタログを持つ新体制に移行した。SunoはBMGと既存のグローバルライセンス契約を結んでいるが、Concordカタログがどう扱われるかは未確定だ。
9月1日、BMGとConcordが合併を完了したと発表した。4月28日に公表されていたこの取引は、必要な規制当局の承認をすべて取得し、正式に1つの会社となった。社名は引き続き「BMG」を使用し、本社はナッシュビル、欧州本部はベルリンに置く。新CEOはConcord出身のBob Valentine、会長はBertelsmannのThomas Coesfeld。Bertelsmannが約67%、Great Mountain Partnersが約33%を保有する(後者への一時金は11億6000万ドル)。
合算されたカタログは400万作品以上。Concordが持ち込むのは、Imagine Dragons、クロスビー・スティルス・ナッシュ(CSNY)、Creedence Clearwater Revival、The Beach Boysのカタログ録音、Boosey & Hawkes(クラシック)、Fantasy・Rounder・Craft Recordings などの老舗レーベル群だ。
なぜこれがAI音楽シーンに関係するか
SunoはすでにBMGとグローバルライセンス契約を結んでいる(8月12日発表)。この契約はBMGのレコーディングおよび音楽パブリッシングのレパートリーを対象とし、過去の学習使用に対する清算も含む内容だった。WMGとのパートナーシップと同様に、BMGはSunoが開発中の次世代モデルの「共同開発パートナー」にもなっている。
合併後、このライセンスがConcordのカタログにまで自動的に拡張されるかどうかは、現時点では公式な言及がない。契約の法的な継承がどう処理されるかによっては、Sunoは実質的により広いカタログへのアクセスを得ている可能性がある——逆に、Concordカタログについては別途交渉が必要になる可能性もある。
Coesfeld会長は合併完了のプレスリリースで「クリエイター、音楽権利、そしてAIへの投資が、アーティストや作家に新たな機会をもたらす」と言及した。合併後のBMGが引き続きAIとの協調路線を明確にしている点は、Sunoにとって好材料だ。
業界の「提携派」がさらに大きくなった
AI音楽をめぐる業界の構図は、現在大きく二極化している。
- 訴訟継続組:Universal Music Group(UMG)、Sony Music Group(SMG)はSunoへの著作権侵害訴訟を継続中
- 提携・ライセンス組:Warner Music Group(WMG)、BMG(新Concord込み)はSunoと協調路線
ここで見逃せないのは、今回の合併でBMG側の「重量」が大幅に増したことだ。BMG単体ではBertelsmann傘下の独立系という位置づけだったが、Concordを取り込むことで、業界最大手3社(UMG・Sony・WMG)に次ぐ規模の第4極として浮上する。
提携派の規模が拡大することは、業界全体の交渉地形を変えうる。UMGやSonyにとっては、「大きな会社ほど提携している」という現実が対外的な圧力になるかもしれない。
論点
新カタログが自動的にSunoのモデルに反映されるか?
Concordのアーティスト側から見れば、自分たちの楽曲がSunoの学習に使われているかどうかを知りたいのは当然だ。合併によってBMGに統合されたとしても、Concord所属アーティストへの個別の説明や同意プロセスが適切に設けられているか、透明性が問われるだろう。
Sunoの「訴えられながら別の会社と提携する」モデルは続くか?
UMGとSony Musicからの訴訟が続く中、WMGとBMGと組んで次世代モデルを開発するというSunoの二重構造は独特だ。BMG-Concord合併後の体制でこの協調関係が深まるとすれば、UMGやSonyの法的戦略にも何らかの変化をもたらす可能性がある。
今後の展開
BMGはBob Valentine体制のもと、アーティストロスター事業とパブリッシング事業の統合を進める。Concordが独自に持っていた「Concord Originals」や「Concord Theatricals」は引き続き事業単位として残る。
SunoはBMGとの次世代モデル共同開発を予告しており、Concordのカタログ資産がその素材に加わるかどうかは、この合併後の最初の具体的な焦点になる。合意内容の詳細が公開されれば、AI音楽ライセンスの「モデルケース」として業界全体に参照される可能性がある。
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