
Rezonate 月次データレポート ── 2026年5月 / クローズドβからオープンβへ、30日間のスナップショット
4月14日のクローズドβ開始から、5月1日のオープンβ移行を経て、ちょうど30日。Rezonate の数字を、運営者自身が公開して検証する。透明性レポート第1回。投稿者138人、公開楽曲1,221曲、92.7%の曲が誰かに聴かれている。クリエイターに知っておいてほしいことから書く。
ローンチから、ちょうど30日が経った。
Rezonate は、4月14日にクローズドβを開始し、5月1日にオープンβに移行した。
つまり、ここに並ぶ30日分のデータには、ほぼ別のフェーズが2つ含まれている。
- クローズドβ期間(4/14–4/30、17日間) ── 招待制。「来たい」と思って来てくれた人たちだけがいる時期
- オープンβ期間(5/1–5/14、14日間) ── 誰でも登録できる。いろんな動機の人が入ってくる時期
この区別を意識しながら、数字を見ていこう。
サマリー
細かい数字に入る前に、今月の数字がクリエイターにとって何を意味するかを解説する。
あなたの曲は、ちゃんと届いている
公開された 1,221 曲のうち、92.7% が、投稿した本人以外の誰かに少なくとも1回は聴かれている。AI 音楽サービスでよく心配される「投稿即埋没」は、今のところ起きていない。あなたが上げた曲は、誰かには届いている。
再生の偏りは少ない
いま最も聴かれている曲 Top 10 を合わせても、Rezonate 全体の再生数の 4.9% にしかならない。一般的な音楽サービスでは、Top 1% の曲で全再生数の半分以上を取ることもある。Rezonate はまだスター曲に偏っていない、いま投稿する人にとって伸びる余地のある場所だ。
チャレンジに載せると、約 3.3 倍聴かれる
チャレンジに参加した曲は、参加していない曲の約 3.3 倍の再生数になっている。同じテーマで複数の解釈を見比べる体験が、聴く側にもおもしろさを与えている。迷ったらチャレンジに載せてみる価値が、データ的にもある。
文章を添えると、2 割増し
楽曲にライナーノーツ(楽曲の解説)を添えた曲は、添えていない曲より平均で 23% 多く聴かれている。作った意図・プロセス・気分。短くていいけど、書く価値はある。
投稿してる側の方が多い
登録ユーザーの 3 人に 2 人(65.7%) が、少なくとも 1 曲は投稿している。「投稿してる側」が普通であって、見るだけの人のほうが少数派。気後れせずに出していい場所、ということ。
5月以降に始めた人へ
5月から Rezonate を使い始めて初投稿してくれた人のうち、いまのところ翌週も投稿してくれている人は 3.7%(観測継続中、今週末まで様子を見る必要がある)。それ以前の月に始めた人(30% 前後)と比べると、ペースが落ちているのは確か。
これは1曲投稿した後の体験設計が、まだ追いついていない可能性を示唆している。ここはちゃんと考えたい。
戻ってくる人が、半分以上いる
Rezonate に初めて来てくれた人のうち、1週間以内に再訪してくれる人の割合は 55.3%、2週間以内では 62.2%。あなたの曲を聴いてくれた人のうち、半分以上はまた戻ってくる可能性が高い。一度届いた相手には、二度目以降のチャンスがある。
ここから下は、上の結論がどこから出てきたか、数字としての裏付けを書く。読み流してもらってもいいし、興味のあるパートだけ拾い読みしてもらってもいい。
30日の数字、ざっくり全体像
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 登録ユーザー | 210 |
| 楽曲(公開) | 1,221 |
| 投稿した人 | 138(全体の 65.7%) |
| 累計再生数 | 8,299 |
| いいね | 957 |
| コメント | 298 |
| リポスト | 163 |
| フォロー関係 | 491 |
210 人のコミュニティで、1,221 曲が公開されている。一人当たり約 5.8 曲。
投稿サイドの動き
日々の流れ
4月14日(クローズドβ開始)の立ち上がりピーク、その後の落ち着き、そして5月1日のオープンβ移行で再び投稿が増える ── という二段階の形がはっきり見える。
投稿者の分布
中央が厚い山型。4-7曲を投稿する人(34人)が一番多く、両端に1曲だけの人(27人)と31曲以上のヘビー層(6人)。ヘビーに作る人と、試しに出した人と、その中間で安定して投稿する人が、それぞれちゃんと存在している分布だ。
上位投稿者が全投稿に占める割合
上位 10% の投稿者(14人)で全投稿の 40%。創作プラットフォーム一般と比べると 集中度はむしろ低い。少数のヘビー投稿者だけが場を埋めている、という状態にはなっていない。
続けて投稿してくれている人の割合
ここがこのレポートで いちばん率直に書きたい数字 だ。
初めて投稿した週ごとにグループに分けて、その後何週間にわたって投稿し続けてくれているかを見ている。
| 初投稿 | 期間 | 人数 | 翌週も投稿 | 2週後も投稿 | 3週後も投稿 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1週目 | 4/15週(クローズド) | 70 | 31.4% | 25.7% | 30.0% |
| 2週目 | 4/22週(クローズド) | 6 | 33.3% | 33.3% | — |
| 3週目 | 4/29週(オープン移行) | 32 | 34.4% | 12.5% | — |
| 4週目 | 5/6週(オープン) | 27 | 3.7% | — | — |
クローズドβ開始週(4/15週)の70人は、その後3週間にわたって 25-31% の人が毎週戻ってきて投稿してくれている。2週目・3週目の投稿者の翌週復帰率も 33-34% で同水準。クローズドβ期間に来てくれた投稿者は、健全に習慣化してくれている。
ところが、4週目(5/6週)、つまり完全にオープンβに移行してから初めて投稿した27人については、いまのところ翌週復帰率が 3.7% に留まっている。ただし W+1 の観測期間が今週末まで続くので、まだ確定値ではない。それでも傾向としては気になる。
仮説として、オープン化で入ってきた新しい人たちが、クローズドβ期に来てくれた人たちと同じ熱量・動機を持っていない可能性がある。クローズドβは「来たい」と思って招待を取りに来てくれた人たち。オープン以降は「ちょっと気になって覗いてみた人」も含まれている。
ただし、W+1 の数字が確定するのは今週末以降、サンプルも27人と小さいので、来月のレポートで再観測してから判断したい。それまでにできることとして、曲が誰かに聴かれたときの通知、初投稿者向けのキュレーション、コミュニティ側からの反応設計などを検討していく。
(なお、もっと長い期間続けて投稿してくれているか、ローンチ初週の70人について4週後を見るデータも一部出始めているが、観測期間自体がまだ終わっていないため、来月のレポートで確定値を出す)
1曲投稿で止まった人
138 人の投稿者のうち、27 人(19.6%) は1曲を投稿したきり、まだ次の曲を出していない。
彼らの曲は平均で 7.74 回再生されているので、「誰にも聴かれなくて諦めた」のとは少し違う。聴かれているが、次が出てこない。
おそらく、「とりあえず1曲試しに出してみて、様子を見ている」人たちが含まれている。焦って2曲目を出す必要を感じていない、というのは不自然ではない。来月、この層が動き始めるかどうかを見ていきたい。
再生の偏り
Top に集中していない
- 累計再生数: 8,299
- 最も聴かれている Top 10 曲のシェア: 4.9%
- 上位 10% の曲のシェア: 35.0%
- 上位 50% の曲のシェア: 84.9%
Top 10 曲ですら、Rezonate 全体の再生数の 5% にしかならない。スター曲に集中していない、フラットな分布。生成 AI 音楽の場としては、好ましい構造だと思っている。
この結果には、Rezonate の二つの設計判断が効いていると考えている。
ひとつは、再生数・いいね数・リポスト数といった生メトリックを UI に表示していないこと。これはコミュニティ内からの提言を受けて、比較的初期段階から採用している方針で、「数字を見て聴く曲を選ぶ」という流れを意図的に避けている。
もうひとつは、曲を流しっぱなしにすると、ランダムで次の曲が再生される設計。「人気曲が次に流れる」ロジックを採用していないので、聴かれる曲が均等に分散されやすい。
この二つが、上位曲への極端な集中を抑えている可能性が高い。
92.7% の曲が誰かに聴かれている
1,221 曲のうち、1,132 曲が、投稿した本人以外の誰かに少なくとも1回は聴かれている。これは 92.7%。「投稿即埋没」を起こしていない、というこのレポート最大の健全シグナル。
オープン化で曲数だけが急に増えると、この数字は構造的に下がりやすい。「来月この数字がどこまで持ちこたえるか」が、最も注視している指標のひとつ。
聴く側の動き
日々の聴き手
A1 と同じく、ふたつのフェーズが読める。4月末の谷(クローズドβ後半でユーザーが出尽くした時期)を抜けて、5月以降に日常的に聴く層が形成されつつある。
1回の訪問で、複数曲が聴かれている
ひとまとまりの訪問で、聴いた曲数の中央値が 3 曲、平均で 5.79 曲。複数曲を連続で聴いてくれている流れができている。
戻ってくる人の割合
| 期間 | 戻ってきた割合 |
|---|---|
| 1週間以内 | 55.3% |
| 2週間以内 | 62.2% |
一般的な数字と比べると、これは非常に高い。ただし、この数字は「すでに1回でも曲を再生してくれた人」を母数にしている。登録だけして聴いていない人は含まれない。つまり、すでに能動的に動いてくれた人だけが対象なので、そりゃ高く出る。
加えて、いま観測対象になっているのは、その大半がクローズドβ期に初めて再生したコア層。来月、オープンβ後ユーザーを切り出して比較したい。
エンゲージメント
主要な数字だけ。
- コメントが1件以上ある曲: 14.4%
- いいねが1件以上ある曲: 42.0% / いいねを押したことのあるユーザー: 37.6%
- リポストされた曲: 11.6% / リポストしたことのあるユーザー: 11.0%
- フォロワーがいるユーザー: 51.9% / 誰かをフォローしているユーザー: 42.4%
- プレイリストを作ったユーザー: 4.8%
そして、
- チャレンジ曲は通常曲の約 3.3 倍の再生数(チャレンジ平均 16.5 回 / 通常 5.0 回)
- ライナーノーツありの曲は約 23% プラスの再生数(あり平均 7.4 回 / なし 6.0 回)
「チャレンジに載せる」「文章を添える」という編集的な行為が、確かに再生数に効いている。Magazine 側からも積極的に推していきたい。
機能の使われ方
投稿(65.7%) > フォロー受ける(51.9%) > フォローする(42.4%) > いいね(37.6%) > チャレンジ参加(33.3%) > アルバム作成(16.7%) > リポスト(11.0%) > プレイリスト作成(4.8%) の順。
登録ユーザーの 65% は何かしら投稿している。でも、他人の曲に「いいね」を押したことがある人は 38%、リポストしたことがある人は 11% にとどまる。
つまり、Rezonate では「作って出す人」のほうが「他人の曲に反応する人」より多い。普通のコミュニティは逆(聴く人 > 作る人)なので、これは Rezonate 独特の状態。聴いて反応する文化を育てるのが、これからの課題。
プレイリスト 4.8% は低い。使い道がコミュニティに浸透していないような気がするので、対策が必要かもしれない。
今月のまとめ
良い兆候
- 92.7% の曲が誰かに聴かれている(投稿即埋没なし)
- Top 10 曲が全再生の 4.9%、Top 10% でも 35%(集中していない、フラット)
- クローズドβ来訪者は、その後3週間にわたって 25-31% で安定して戻って投稿してくれている
- 初回リスナーの 55% が1週間以内に再訪してくれている
- セッションあたり平均 5.79 曲(複数曲を聴く流れができている)
- チャレンジ曲は 3.3 倍、ライナーノーツありは +23%
- 半数以上のユーザーがフォロワーを持っている(関係性が育っている)
注意したい兆候
- オープンβ移行後の新規投稿者の翌週再投稿率が、現時点で 3.7%(観測継続中)
- 1曲だけ投稿して止まった人が投稿者の 19.6%(導線の課題)
- 「投稿はするが他の曲には反応しない」層が一定数いる
- プレイリストやリポストなど、機能はあるけど使われていないものがある
おわりに
今月のレポートはここまで。
数字を並べてみると、思っていたより健全な兆候が多い。投稿された曲はちゃんと聴かれているし、上位への集中もなく、コア層は確かに戻ってきている。
ただ、率直に言うと、もっと曲を聴いてもらいたいし、それに対してリアクションもしてもらいたい。投稿する人(65.7%)に対して、いいねを押したことのある人は 37.6%、リポストは 11.0%。
これを促す仕組みを考えないとな、と思った。
来月もまた、同じ形でレポートを出す予定です。